そういや先週、試写で「トランセンデンス」を観てきた。封切られたので感想を書いてみる。
題材にそぐわないカメラワークと画面構成。人物描写も薄っぺらで、主役のジョニー・デップはちっとも天才学者に見えない。何より一番ごまかしちゃいけないペリフェラルをごまかした。呆れて言葉もない。
劇中、コンピュータにアップロードされたジョニー・デップとは、モニター画面越しに音声でコミュニケーションする。しかしディスプレイに映るムサくて無愛想なデップを眺めるのはひたすら苦痛。あれならマックス・ヘッドルームでも見てた方がマシ。
もっとマンガっぽく撮った方が良かったのでは。最後はポール・ベタニーもネットにアップロードしてサーバー内の電脳世界で対決させるとか。でもそれじゃまんま「マトリックス」になってしまうか。
テクノロジーに疎い人が作ったサイバーっぽい作品、と感じた。残念な出来。だが上映後には泣いていると思しき女性客も散見した。オレの心が汚れているのだろうか。オレの精神こそネットにアップロードしてサニタイズが必要なのかも知れない。