From: エリアメール
Date: Sat, 12 Mar 2011 04:32:00 +0900
Subject: エリアメール緊急地震速報
栃木県で地震発生。強い揺れに備えて下さい(気象庁)
From: エリアメール
Date: Sat, 12 Mar 2011 06:19:00 +0900
Subject: エリアメール緊急地震速報
神奈川県で地震発生。強い揺れに備えて下さい(気象庁)
From: エリアメール
Date: Sat, 12 Mar 2011 06:34:00 +0900
Subject: エリアメール緊急地震速報
長野県で地震発生。強い揺れに備えて下さい(気象庁)
エリアメールを 3通受信したところで寝床から這い出る。もっとも、横になっていても眠れる精神状態にない。東京でも相変わらず余震が続いている。
昨日の地震・津波の影響で福島の原子力発電所がやばいらしい。テレビでは報道特番がずっと放送され続けている。状況を伝える各局のアナウンサーたちも、いつになく不安気で緊迫した面持ちだ。繰り返し語られる炉心溶融の危機。それは即ちメルトダウンではないのか。
15:36 福島第一原発1号機で水蒸気爆発。建屋の屋根が吹き飛んだ。ショッキングな映像が報道される。
「原発が爆発したら世界は終わり」、現代人の共通認識だったはずだ。それゆえ度々性質の悪い冗談のオチにも用いられた。その冗談が現実になってしまった。終わった、と感じた。
テレビを見てたら恐ろしくなってきたので外出、スーパーに行って買い物。だが食料品がない。思うところは皆同じ、いやむしろオレは出遅れたか。代わりに菓子や飲料などを買い込む。薄暗く狭いシェルターの中で、身を屈めそれを口にしている自分を想像する……が、シェルターなんてあっただろうか?
念のため、銀行の ATM で僅かながらの預金を引き出し。釣り銭など望めぬ弱肉強食の荒廃した世界になる事を想定し、すべて千円札で引き出す。
それからコンビニを 5,6 軒回るが、どの店にも食料品がない。底板を露呈させた商品棚が並ぶ店内は、寂れた田舎の個人商店の様だ。次々と出入りする客たちもどこか焦燥している。戦時下とはこんなだろうか、いやまだ生ぬるいか、と考えつつ帰途に着く。
報道は福島原発 20キロ圏内からの避難指示を伝えている。明日の東京の輪番停電はない、とも。
From: エリアメール
Date: Sat, 12 Mar 2011 22:16:00 +0900
Subject: エリアメール緊急地震速報
福島沖で地震発生。強い揺れに備えて下さい(気象庁)
From: エリアメール
Date: Sat, 12 Mar 2011 23:35:00 +0900
Subject: エリアメール緊急地震速報
新潟県で地震発生。強い揺れに備えて下さい(気象庁)
辺りは年明けの深夜を思わせる静まった空気で満ちている。エリアメールの着信音だけが賑やかだ。
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