オレとカイマン・サーバー(仮)


このブログを Movable Type から WordPress に移行するついでに、ホスティングを海外業者から国内業者に移管してみた。10年以上契約していたアメリカのレンタル・サーバー会社、カイマン・サーバー(仮)とも縁が切れる事となったので、彼らとの趣き深くも愉快なエピソードを記しておこう。

カイマン・サーバー(仮)2002年の初め、レンタル・サーバーの移転先を探していたオレは、カイマン・サーバー(仮)の web サイトに目を留めた。月間転送量 50GB で料金 USD 25 は当時破格の安さだったからだ。他にもサーバー管理ソフトに cPanel の採用など、各種仕様も申し分のない一級品。共用鯖としては、国内相場では考えられない好条件でハイ・グレードなサーバーだった。

飛び付く様に契約。しかし早々に問題が発生した。PHP の拡張モジュール、mbstring がサーバーにインストールされていなかったのだ。mbstring が有効化されていないと、日本語等のマルチバイト文字列処理時に不具合があるのだが、基本的にアルファベット文字しか扱わない欧米のホスティング屋連中はこの機能を有効にする気など毛頭なく、よって運用スキルも乏しかった。でも広告のサーバー仕様表には enable って太字で書いてあるから契約したのに……

しょうがないのでサポート宛に英文でメールする。以下がその時のやり取り。
「あのー、PHP の mbstring が使えないんですけど……」
すると、1時間と間を空けずに返信メールが来る。このレスポンスの速さは感動的だったが、内容は、
「あ? 使えるだろう? いま確認したけど使えてるぜ」
という人をナメたものだった。
こっちも悔しいので、
「いえ、使えてないですよ。ほら」
と証拠として phpinfo のスクリーンショットを添付して応酬。
すると今度は、
「mbstring を有効にすると server load too high になって、他の収容アカウントから文句が来るからダメだ!」
などとのたまう。
負けじと返信
「でも web のサーバー仕様紹介ページには mbstring が使えるって書いてあるじゃないですか。有効設定してくれないとこっちも困るんですよ……」
そうしたら、
「有効にするといまサーバーにあるデータが全部消えるけどいいのかよ?」
なんで初期化されるんだよ? 脅しのつもりか? と思いつつも、
「はい、お願いします……」
と一悶着あって無事 mbstring が有効化された。

しかしその後もサーバー・メンテナンスの度に mbstring が無効になっているので、その都度メールを送りつける羽目になる。あー、面倒クセー、設定を帳面につけとけよ! それともわざとやってるの……?
「あのー、また mbstring が無効になってるんですけど……」
「悪いな、いま設定してリブートしたよ :-)」
顔文字付きのメールで返事が来たりする。フレンドリーすぎやしないか?

ほかにも、
「ここ数日、サーバーが重くて仕方がないんですけど……」
と文句を入れようものなら、
「お前の PC をリブートしろ」
と、2ちゃんねるの書き込みみたいな返事が来たりして、オレは深夜、涙目になりながら自室の壁を殴ったりしていた。

そんなカイマン・サーバー(仮)のオフィスは、この 10年であちこちに移転した。最初はダラス、次にヒューストン。最後はペンシルバニア。まったく落ち着かねえ会社だな! でもホスティング屋の事務所がどこに引っ越そうが、net を介しての付き合いだけなので関係ないよね……いや、関係あるかもよ?

今回の解約手続き後、自宅に見慣れぬ謎の電話番号から着信。あれ、171 で始まる電話番号って、日本国内では災害伝言ダイヤルなんですけど……何事かと思えば、ペンシルバニアのカイマン・サーバー(仮)から国際通話だった。直電してくるのかよ!
受話器の向こうでは早口のオッサンが英語でまくしたてている。電話代が惜しいのか?
要旨は、
「解約なんて言わないで、ウチのサーバーで新しいビジネスを始めろよ! 最初の 2ヶ月間はサーバー代、タダにするからよ!」
て事だった。いえ、もう本当に結構です……。

以上、カイマン・サーバー(仮)に関する、おかしくてちょっぴりほろ苦いエピソードを紹介した。いろいろあったけれど、今まで使った海外ホスティング業者と比較して優位な点が多かったのもまた事実。でなければオレも 10年超もの期間、契約はしていない。新機能の導入に意欲的で、サポートの反応も爆速。料金も安く、決済も PayPal 経由で楽ちん。ボラレる事もなかった。
いま現在、海外のサーバー業者評価サイトを覗いてもカイマン・サーバー(仮)の評判は概ね良好。この群雄割拠の IT 業界において、10年以上も商売を続けていられるという事実から鑑みても、高水準のホスティング業者なのだろう。

でも、オレはもういいや。さようなら、カイマン・サーバー(仮)! 楽しいメールをありがとう!

 
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